計算の前提
このサイトで出てくる数値の計算式や前提値、出典を、ぜんぶこのページに置いてあります。中身が気になる方は、のぞいてみてください。
1. 全体の流れ
あなたの現在年齢から、想定寿命(初期値 90 歳)まで 1 年ずつ繰り返し計算しながら、その年の収入・支出・投資リターンを合算して、資産がどう動いていくかを出しています。
サーバへ何かを送ったりは、一切ありません。ぜんぶ、あなたのブラウザの中だけで動いています。
2. 収入の計算
| 項目 | 計算式 | 出典・参考 |
|---|---|---|
| 退職前の給与 (額面) | 年収 × (1 + 昇給率)経過年数 |
厚労省「令和6年 賃金構造基本統計調査」 |
| 給与の手取り | 額面 × 手取り率 (働き方・年収帯別 60–92%) |
国税庁 源泉徴収税額表、協会けんぽ 2025-2026、2026年税制改正反映 |
| 退職後の年金 | 年金月額 × 12 (デフォルト 月15万円 = 単身会社員モデル) |
日本年金機構「令和7年4月分以降の年金額」 |
| 退職金 (一時) | 定年時に一括加算 (進路別: 高卒 約1,400万 / 専門・短大 約1,500万 / 大卒 約1,900万) | 厚労省「令和5年 就労条件総合調査」(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者1人平均) |
| 児童手当 (子どもイベント) | 0–3歳 月1.5万 / 3歳–高校 月1万 / 第3子以降 一律 月3万、所得制限なし | こども家庭庁「児童手当制度のご案内」(R6.10 拡充) |
手取り率は「働き方」と「年収帯」ごとのステップ近似です。学生アルバイト期は社会保険料の天引きがない前提で高め(200万未満で約92%)、正社員は社会保険加入で約67〜83%、自営業・フリーランスは国民健康保険・国民年金の全額自己負担で約60〜86%として計算しています(200万未満は2026年改正の所得税非課税ライン178万円を反映)。退職金は退職所得控除により多くのケースでほぼ全額が非課税になるため、手取り率を掛けずに満額を加算しています。配偶者控除・住宅ローン控除・iDeCo所得控除は Phase 2 で対応予定です。
3. 支出の計算
| 項目 | 計算式 | 備考・出典 |
|---|---|---|
| 生活費(住居以外) | 月の生活費 × 12 | 食費・通信・水道光熱・娯楽・交通など |
| 住居費(賃貸) | 月の住居費 × 12 | 引っ越し年齢で段階的に切替可能 |
| 住居費(購入: 一時) | 頭金 + 物件価格 × 諸費用率 (5%) | 仲介手数料・登記費・印紙税・火災保険など。新築3–5%/中古6–10% 目安 |
| 住居費(購入: 月) | 月ローン返済 + 維持費 + 固定資産税/12 | 固定資産税+都市計画税で年12万円目安 (4,000万円戸建て) |
| 住居費(完済後) | 維持費 + 固定資産税/12 | ローン終了後も固定資産税は継続 |
| 子の養育費(月) | 年齢区分別の月額 × 人数 | 0–2歳: 家庭3万/保育園5万 / 3–5歳: 月0.5万 / 小学3–13万 / 中学4–12万 / 高校3–5万 |
| 幼児教育・保育の無償化(3–5歳) | 3–5歳児の保育料は実質ゼロ、給食費・行事費・延長保育費等の実費(月0.5万)のみ | こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」(2019年10月施行) |
| 高校就学支援金(無償化) | 公立は授業料11.88万/年が実質ゼロ、私立は支援上限45.7万/年が控除。教材・制服・通学費・部活費は引き続き発生 | 文科省「高校就学支援金制度」(2025年4月公立・2026年4月私立、所得制限撤廃) |
| 大学入学一時金 | 18歳時に進学先別 (国公立28万 / 私立文系40万 / 私立理系45万 / 専門18万 / 短大30万) | 文科省「国立大学標準額」・文科省「私立大学等の令和5年度学生納付金等調査」 |
| 大学在学中(月) | 国公立7万 / 私立文系10万 / 私立理系12万 / 専門9万 | 進学先で年数を切替 (専門短大2年 / 4年制4年) |
| 結婚費用 | 結婚年齢時に式費用 + 新生活費を一括 | ゼクシィ結婚トレンド調査 2024 (平均約356万円) |
| 車 | 頭金なしローン (5年) + 月維持費 | 軽–コンパクト200万、ローン3%、維持月3万 目安 |
| 学生期の負担 (就職前) | 「自分で / 仕送りあり / 実家・親が負担」で就職前の家賃・生活費を軽減 | 仕送り=家賃は親が負担 / 実家=家賃ゼロ・生活費は3割の自己負担として計算。進路の学費を全部自分で払う前提を外すための選択肢です |
| 奨学金の返済 | 借入総額 ÷ (返済年数 × 12) を就職年齢から返済年数のあいだ | 無利子(JASSO第一種)相当の月割り。第二種(有利子)は利子分やや増えます。出典: 日本学生支援機構(JASSO) |
4. 投資の計算
月初に毎月積み立てる方式 (期首払い annuity-due) で計算しています。金融庁のつみたて NISA シミュレーター・楽天証券・SBI 証券などと同じ方式 (月利 = 年利 ÷ 12) なので、各社の積立シミュレーターと数値がそろうはずです。
翌年残高 = 当年残高 × (1+i)12 + 月積立 × ((1+i)12 − 1) ÷ i × (1+i) (i = 年利 ÷ 12)
例: 月3万円・年率5%・30年で約 2,500 万円。元本 1,080 万円 + 運用益 約 1,420 万円。
NISA 枠 (年360万・生涯1,800万) 内なら売却益非課税で、Phase 1 ではこれを前提にしています。年・生涯枠を超えた分は本来 20.315% の譲渡所得税がかかりますが、学生の月額積立 (3–5万円) は通常 NISA 枠内に収まります。iDeCo 拡充 (2027年 70歳まで・第2号月6.2万円) は Phase 2 で反映予定。
5. 退職後の資産取り崩し
退職後は積立をやめて、退職時の投資残高に対し Trinity 4% Rule (定額) で取り崩します。「資産 × 4% ÷ 12 = 月額」のシンプルな計算で、過去データでは 30 年枯渇率が 4–5% 程度に収まる保守的なルールです。デフォルトの fixed4 モードのほか、保守的な safe3 (3%) モードも選べます。
毎年の取り崩し額 = 退職時の投資残高 × 4% (or 3%) (取り崩した分は現金扱い)
日本の低金利環境では「3% が安全」という見方もあります (Morningstar 2025)。さらに日本は年金課税・国保料・介護保険料が米国モデルと異なるため、必要資産は資産 × 25 倍より大きめ(27–28 倍)が安全という見方もあります。退職後の生活費は退職前の生活費 (家賃込み) を継続して使う設定で、年金月額が支出に届かない分を投資から取り崩していきます。投資残高が尽きると現金が減っていき、グラフで赤色のマイナス領域として見える化されます。
6. アラート(警告と提案)の発生条件
| 条件 | 種別 | 内容 |
|---|---|---|
| 想定寿命時点で資産がマイナス | 警告 | 不足見込み額を表示 |
| 退職時の資産が 3,000 万円未満 | 警告 | 一般目安との比較 |
| 途中で資産がマイナスになる年がある | 警告 | その年齢を表示 |
| 投資 0 円 | 提案 | 月 1 万円積立した場合の差分 |
| 投資 3 万円未満 | 提案 | 月 +5,000 円した場合の差分 |
| 生活費が年収 70% 超 | 提案 | 5% 削減した場合の差分 |
7. ここはまだ「目安」止まりです
いまの計算は、進路を選んでスライダーを動かすと将来のお金の流れがざっくり見える、というところまで揃えています。ただ、人生はもっと複雑です。下に当てはまる方は、表示される数字に少し幅を持たせて見ていただけると安心です。
世帯のモデルについて
- 単身世帯モデルです — 共働き世帯やパートナーの収入は反映していません。「08 老後」の年金月額を夫婦世帯モデル(約 22–23 万円)や自営業者夫婦(約 11 万円)に手動で調整いただけます。
- 地域は首都圏郊外モデルです — 家賃・最低賃金・固定資産税は地域差があります。地方都市の方は家賃を下げて、首都圏ど真ん中の方は上げて、ざっくり調整をお願いします。
取り崩しルールの前提
- Trinity 4% Rule は米国研究ベースです — 日本では年金課税・国保料・介護保険料を考慮すると、必要資産は「年支出 × 25 倍」より大きめ(27–28 倍程度)が安全という見方もあります。F.Age の目標額は控えめ目に見ていただけると安心です。
- マクロ経済スライドは未反映です — 公的年金の実質購買力は将来低下する見通しです(所得代替率 2024 年 61.2% → 2037 年 57.6%、令和 6 年財政検証)。このサイトは現在価値ベースで計算しているので、将来の購買力低下リスクは別途お考えください。
これから対応していきたい制度・控除
- NISA 新制度の枠管理(年 360 万・生涯 1,800 万)— 学生の月額積立では通常超えませんが、社会人後に大きく積み立てる場合は影響します。
- iDeCo 拡充(2027 年 1 月施行、企業年金なし会社員 月 6.2 万・70 歳延長)
- 大学無償化(多子世帯、扶養 3 人以上、2025 年度開始)
- 在職老齢年金 基準額引上げ(2026 年 4 月、50 万 → 62 万 → 65 万)
- 住宅ローン控除(年末残高 × 0.7%、最大 13 年・21 万/年)
- 奨学金の給付型・返還免除(現在は貸与型の返済のみ対応。給付型奨学金や減免は今後)
市場変動・人生のリスク
- 投資リターンは年率固定で計算しています — 実際は変動があり、下落局面では一時的に大きく目減りすることもあります。
- 退職直後の暴落(Sequence of Returns Risk)は未反映です — 退職時点の市場環境次第で、取り崩し計画が崩れるリスクがあります。
- 介護・医療の一時金 — 後期高齢期は大きく変動しますが、ここでは反映していません。
- 相続・贈与、為替変動・通貨分散も未考慮です。
既に反映済の制度(幼児教育・保育の無償化、高校就学支援金、児童手当 R6.10 拡充、税制改正 178 万円ライン)は、下の §10「制度改正の反映状況」表に一覧しています。
8. 出典・参考資料
どれも公開資料です。リンクをクリックすると、各機関の最新版をご覧いただけます。出典の隣に「この資料で何が決まるか」を 1 行ずつ添えています。
- 厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」 — 進路別の初任給(高卒 19.8 万・専門 22.3 万・短大 22.4 万・大卒 24.8 万)の根拠
- 厚生労働省「令和5年 就労条件総合調査」 — 退職金(大卒 1,896 万・高卒 1,682 万)の根拠
- 日本年金機構「令和7年4月分以降の年金額」 — 厚生年金単身モデル月 15 万円の根拠
- 国税庁「源泉徴収税額表」 + 協会けんぽ 健康保険・厚生年金保険料率(2025-2026) — 働き方・年収帯別手取り率(60–92%)の根拠
- 財務省「令和8年度税制改正大綱」 — 年収の壁 178 万円(基礎控除 62 万 + 給与所得控除最低保障 74 万)の根拠
- こども家庭庁「児童手当制度のご案内」(令和6年10月拡充) — 月 1.5 万/1 万、第 3 子 3 万、所得制限なしの根拠
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」(2019年10月施行) — 3–5 歳児保育料実質ゼロの根拠
- 文部科学省「高校就学支援金制度」(2025年4月公立・2026年4月私立) — 高校無償化の根拠
- 文部科学省「私立大学等の令和5年度学生納付金等調査」 — 私立大学の入学金・授業料平均の根拠
- 文部科学省「国立大学標準額」(入学金 28.2 万・授業料 53.58 万/年) — 国公立大学の納付金根拠
- 文部科学省「令和5年 子供の学習費調査」 — 小・中・高の年間学習費総額の根拠
- 内閣府「子育て費用に関する調査」 + 総務省「家計調査」 — 子供の養育費(食費・衣類・小遣い等)月額の根拠
- 総務省「固定資産税の概要」 — 住宅購入後の固定資産税年 12 万円目安の根拠
- 金融庁「資産運用シミュレーション」 — つみたて NISA の積立計算式(月割り annuity-due)の業界標準
- Cooley/Hubbard/Walz (1998) Trinity Study — 4% Rule(退職資産の安全な取り崩し率)の原典
- Morningstar 安全引き出し率レビュー 2025 — 「3% が安全」という保守的な見方の出典
- 厚生労働省「令和6年 公的年金財政検証」 — マクロ経済スライドによる所得代替率の将来見通しの出典
9. ソースコード
計算ロジックは assets/js/compute.js にまとめてあります。設定値(進路別初任給・退職金・教育費・税率)は config.json に外出しされていますので、年次更新のときはここを書き換えるだけで反映できます。ブラウザの開発者ツールからのぞいてみることができますので、気になる方はぜひ見にきてください。
10. 制度改正の反映状況(v1.1, 2026-05-22 更新)
| 制度 | 施行 | 反映状況 |
|---|---|---|
| 幼児教育・保育の無償化(3–5歳) | 2019年10月 | ✓ 反映済(月 0.5 万の実費のみ計上) |
| 児童手当 拡充(所得制限撤廃・高校生延長・第3子 月3万) | 2024年10月 | ✓ 反映済 |
| NISA 新制度(年360万・生涯1,800万) | 2024年1月 | 未反映(学生の月額積立では枠超過しない前提、Phase 2) |
| 2026年度税制改正(年収の壁 178 万) | 2026年(予定) | ✓ 反映済(手取り率に織り込み) |
| 高校無償化(公立・所得制限撤廃) | 2025年4月 | ✓ 反映済(授業料無償、学習費総額ベースで月 3 万、教材・通学費等は別途) |
| 高校無償化(私立・所得制限撤廃) | 2026年4月 | ✓ 反映済(月 5 万、支援上限 45.7 万/年控除後) |
| 大学無償化(多子世帯、扶養3人以上) | 2025年度 | 未反映(Phase 2) |
| iDeCo 拡大(企業年金なし会社員 月6.2万・70歳延長) | 2027年1月(予定) | 未反映(Phase 2) |
| 在職老齢年金 基準額引上げ(50万→62万→65万) | 2026年4月 | 未反映(Phase 2) |
| 定額減税(所得税3万+住民税1万) | 2024年(1年限り) | 未反映(1 年限り措置のため省略) |
| マクロ経済スライド(所得代替率の将来低下) | 継続適用中 | 未反映(現在価値ベース、Phase 2) |
「✓ 反映済」は v1.1 の計算に組み込まれています。「未反映」は次の版で順次対応していきます。制度改正は毎年動いていますので、最新の状況は このサイトについて の更新履歴でもお知らせします。